オランダ史(文庫クセジュ)

 

  • 著者: モリス・ブロール /西村六郎[オランダ]、ジョルジュ・アンリ・デュモン /村上直久[ベルギー]
  • 出版社: 白水社
  • サイズ: 新書
  • ページ数: 143p/144p
  • 発行年月: 1994年03月 /1997年07月
  • 定価: 各1103円

読書メモ

日本語で一冊で読めるオランダ通史としては、最も手軽で詳しく、初学者におすすめの良本です。が、もとがフランスの著者で、訳者もフランス語の専門家。カナ表記(アントウェルペンはフランス語読みで「アンヴェール」となってます)や訳語(スタットハウダーが「知事」となっていたり)に若干独自性があり、逆に初学者が混乱しやすい部分もあります。山川出版の『スイス・ベネルクス史』と併読をおすすめします。

フレデリク=ヘンドリクやウィレム二世時代が、日本語ではおそらくいちばん詳しいです。対フランス政策、南ネーデルランドの「二分割」構想など、政治家としてのフレデリク=ヘンドリクや、この親子がどのように国内反対勢力に妨害されたかなど、手っ取り早くわかります。オランダ側からみて、テュレンヌの名前が挙がっているのも、著者がフランス人ならではというところかも。


~Further Reading~

ベルギー史(文庫クセジュ)

  • 著者: ジョルジュ・アンリ・デュモン /村上直久
  • 出版社: 白水社
  • サイズ: 新書
  • ページ数: 144p
  • 発行年月: 1997年07月
  • 定価: 各1103円

オランダ史だけでは片手落ちなのでベルギー史も挙げておきました。八十年戦争期は、オランダ史同様に反乱についてと、南部独自の文化・宗教面についての記載がされています。

「北ネーデルランド史」「南ネーデルランド史」という位置づけで、両方持っていて良い本です。