近代ヨーロッパの誕生 オランダからイギリスへ

  • 著者: 玉木俊明
  • 出版社: 講談社
  • サイズ: 全集・双書
  • ページ数: 218p
  • 発行年月: 2009年09月
  • 定価: 1575円

読書メモ

ウォーラーステインの「近代世界システム」を批判的に発展させた経済史。古い経済史から入るより、むしろこの本を出発点とするのもありかと思います。

管理人の場合、学生時代には経済史にはサッパリ興味がなかったのですが、それもそのはず、やはりある程度社会人を経験して、モノ・人・お金の流れをそれなりに肌で感じてからのほうが面白く感じます。(逆に学生時代から経済史わかる人はすごい)。二国間貿易、三国間貿易、キャッシュフローなど、とくに商社で働いている人には納得いく部分も多いのではないでしょうか。また本書内では、従来の歴史家があまり重要視してこなかったさまざまな要素(「輸送費」の概念や「情報」の重要性など)について頻繁に取り上げられていますが、いずれもいわれてみれば当たり前な要素でもあるので、逆にこのように従前との比較で書かれているとわかりやすいですね。

ライトな内容ではないですが、重要な表現が繰り返し出てきたり、文章は一般読者を意識した構成になっていると思います。巻末の文献一覧を見るとその膨大さに辟易するかもしれませんが、文章中に適宜引用もされているので、さらに知識を深めたい場合にも役立ちます。(ただ、社会経済史自体が現在それほど盛んではないのか、日本語文献は論文や訳書が中心になるようです)。