オスプレイ社軍事史シリーズ(洋書)

日本語では新紀元社でシリーズ出版している、オスプレイ社の原書です。日本語版もかなり冊数がありますが(現在ほぼ絶版)、それでも「メンアットアームズ」シリーズ・「戦史シリーズ」のごく一部のみに留まっています。原書はシリーズ数も多く、シリーズそれぞれの種類も豊富です。比較的手頃なのでついついたくさん集めてしまいます。

ここでは日本語訳がないもので、かつこのサイトと同時期のもののうち、比較的入手しやすいものをいくつかクリップしました。内容は図版が多いので、英語が苦手な人でも、図版だけ見ているだけで充分参考になります。

ちなみに原書では、「旗本」「関が原」など、日本を扱ったシリーズもけっこうあるようです。

Imperial Armies of the Thirty Years' War

 

  • 著者: Vladimir Brnardic (著), Darko Pavlovic (イラスト)
  • 出版社: Osprey Publishing
  • サイズ: ペーパーバック
  • ページ数: 各48p
  • 発行年月: 2009/10/27(1)  2010/11/23(2)

読書メモ

「メンアットアームズ」シリーズ。「三十年戦争期の皇帝軍(1)歩兵・砲兵」「三十年戦争期の皇帝軍(2)騎兵」です。三十年戦争というと、軍制改革に絡んでグスタフ二世アドルフ側が取り上げられがちですが、こちらは案外ありそうでなかった皇帝軍側にスポットを当てたもの。概説・小事典のように使えます。

Ironsides: English Cavalry 1588-1688

  • 著者: John Tincey (著), Graham Turner (イラスト)
  • 出版社: Osprey Publishing
  • サイズ: ペーパーバック
  • ページ数: 64p
  • 発行年月: 2002/3/25

読書メモ

「Warrior」シリーズ。通常「Ironsides 鉄騎隊」というと、クロムウェルが組織した騎兵隊のことですが、ここではもっと広い意味で、「イングランド騎兵」のような意味で使われています。歩兵の場合、オランダの『武器教練』をはじめとして教練書がいくつかありますが、騎兵の教練書はあまりメジャーではありません。ここには少しだけですが、1630年代の騎兵教練書の内容も載っています。

The Thirty Years' War 1618-1648

  • 著者: Richard Bonney (著)
  • 出版社: Osprey Publishing
  • サイズ: ペーパーバック
  • ページ数: 96p
  • 発行年月: 2002/8/19

読書メモ

「Essential Histories」シリーズ。このシリーズは他のシリーズと違ってイラストレーターによるイラストはありませんが、それでも図版が多いことは他のシリーズと同じです。三十年戦争についての概説本といった感じで、マイナーな登場人物も含め、日本ではあまり紹介されない肖像画も多く、有名な戦闘のオーダー図も豊富です。

The Spanish Tercios 1536-1704

  • 著者: Ignacio Lopez (著)
  • 出版社: Osprey Publishing
  • サイズ: ペーパーバック
  • ページ数: 48p
  • 発行年月: 2012/8/21

読書メモ

著者は元スペイン陸軍将校(現場叩き上げ系)で、退役後3つの軍事アカデミーで軍事史を学び、現在は教授。オスプレイでは初となる著作だそうです。 時代のレンジはテルシオの誕生から1704年までということになっていますが、やはり内容の中心は八十年戦争と三十年戦争時代です。テルシオ年表がついているのが嬉しい。テルシオの時代の変遷だけではなく、組織(ヒエラルキー)や戦術についてがメインです。各所、白黒ですが再現イベントの写真もあります。