ヨーロッパの傭兵(世界史リブレット)

  • 著者: 鈴木 直志
  • 出版社: 山川出版社
  • サイズ: 単行本(世界史リブレット)
  • ページ数: 90p
  • 発行年月: 2003年6月
  • 定価: 765円

読書メモ

タイトルの「ヨーロッパの傭兵」に、「三十年戦争以降の」とか「ドイツを中心とした」とか、ある程度の限定をつけたほうがいいような気もしますが、掛け値なしの良本。西洋史専門家の手によるもので、このページ数でここまでわかりやすく平易に書いてあるものを他に知りません。

輜重隊や生活など、兵士レベルからの目線の項目が多く、単なる「数」としてではない生活者としてのイメージがわかりやすく書かれています。この本の「古参兵」の項目を読んでから『アラトリステ』を観ると、彼らが「古参兵」であることにあれだけ誇りを持っていた理由も納得がいくと思います。

参考文献も、初学者が「次」に読むべきものとして、日本語中心のラインナップになっています。また、さすが山川出版、権利関係をなおざりにしているムック本も多い中、巻末に図版出典の一覧が載ってるのもちゃんとしてるところです。